不動産コラム

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2026.01.08

相続放棄した家はどうなる?管理義務の有無や手続きの方法、注意点について解説

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相続放棄した家はどうなる?管理義務の有無や手続きの方法、注意点について解説

「親が亡くなって自宅を相続することになったけれど、管理が難しい」

「親戚が亡くなって不動産相続の話しが出ているけれど、辞退したい」

上記のようなケースでは、「相続を放棄する」という方法が取られることが一般的です。

しかし、不動産を引き継ぎたくないという理由で、安易に相続を放棄してしまっても良いのでしょうか。

相続放棄した家は、管理者が不在となった場合、今後どうなるのでしょうか。

今回は、不動産の相続放棄の手続き方法や注意点について解説します。

相続放棄した家に住み続ける方法や、不動産の相続に関するよくある質問もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

はりき不動産は、東京都葛飾区の不動産を中心に仲介・買取などを行っている、1970年創業の会社です。

不動産買取に関する不安点や疑問点についてはもちろん、具体的な売却の流れや費用などについてもわかりやすくご説明しますので、不動産買取を検討している方は、弊社までお気軽にご相談ください。

センチュリー21はりき不動産 代表取締役 針木 康行

【保有資格】
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー(AFP)・賃貸不動産経営管理士
【経歴】
1996年〜2001年まで地元の不動産業者で働く。2001年〜現在 センチュリー21はりき不動産代表。

目次

相続人が相続放棄した家はどうなる?

相続人が相続放棄した家はどうなる?

不動産の相続人になったものの、使用する予定がなく、管理も難しい場合は相続放棄することも可能です。

相続を放棄した場合、不動産はどうなるのでしょうか。

他にも相続人がいる場合と、いない場合の2つのパターンをご紹介します。

他の相続人へ相続権が移る

放棄の手続きを行うと、他の相続人へ相続権が移ります。

配偶者は常に相続人であり、第一順位は子供や孫、第二順位は親や祖父母、第三順位は兄弟姉妹や甥姪と定められています

相続放棄すると自身の負担はなくなりますが、他の血族に負担がかかるという点には注意が必要です。

相続を放棄したい場合は、勝手に手続きを行うのではなく、血族全員に伝えておきましょう。

また、家や土地など、「財産の一部分のみを相続放棄することはできない」という点にも注意が必要です。

被相続人(亡くなられた方)の財産全てを放棄することになるため、現金や貴金属、有価証券など、あらゆる財産の引き継ぎができません。

選択肢が「全てを放棄するか」、「全てを相続するか」の2つに限定されるので、熟考して決断することが大切です。

相続人がいない場合は国のものになる

相続人がいない、もしくは相続人の全てが放棄を選択した場合、家は国のものになります。

相続人がいない家の扱いについては、民法第239条2項で以下のように定められています。

所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。 所有者のない不動産は、国庫に帰属する。

続を放棄する場合は、家庭裁判所への申し立てにより「相続財産清算人」を選任して、他に相続人がいないことを法的に証明しなければなりません

相続財産清算人とは、相続を円滑に進めるために指定される人のことで、財産の管理や債務の整理、税金の申告などを行う役割を持ちます。

基本的に相続人の中から選ばれますが、相続人がいない場合は弁護士や司法書士に任されるケースがほとんどです。

相続財産清算人は家庭裁判所が選任しますが、家庭裁判所への申し立ては自身で行わなければならないという点は留意しておきましょう。

相続後に不動産の売却を検討しているという方は、下記記事もご覧ください。

不動産を相続放棄する場合の手続き方法

不動産を相続放棄する場合の手続き方法

不動産の相続放棄を行う場合は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に手続きを行う必要があります。

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出しましょう

手続きの際に必要となる書類と費用の目安は、以下の通りです。

相続放棄の必要書類

相続放棄の手続きに必要となる書類は、主に以下の4つです。

・相続放棄の申述書
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票
・申述人(放棄する方)の戸籍謄本
・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本

引用元:裁判所「相続の放棄の申述」

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上記は、被相続人の配偶者や子供が相続を行う場合に必要となる書類です。

その他の人物が相続する場合は追加で必要となる書類があるので、裁判所の公式サイトで確認しておきましょう。

相続放棄の費用の目安

自身で相続放棄の手続きを行う場合は、3,000~5,000円程度の費用がかかります

内訳は、以下の通りです。

・収入印紙(相続放棄申述書に添付):800円/一人分
・被相続人の住民票除票または戸籍附票:300円/1通
・申述人の戸籍謄本:450円/1通
・被相続人の死亡が記載された戸籍謄本(除籍、改製原戸籍):750円/1通
・連絡用の郵便切手(予納郵券):500円程度(家庭裁判所により異なる)

相続放棄を申請する人によって必要書類が異なるため、追加で費用がかかることがあります。
手続きが複雑で対応が難しい、手続きを行う時間がないという方は、弁護士や司法書士へ依頼すると良いでしょう。

弁護士に依頼した場合は5~10万円程度、司法書士に依頼した場合は3~5万円程度の費用がかかります

はりき不動産の不動産売却・買取では、「迅速・高額・気持ち良い」をお客様にご提供できるよう努めております。

葛飾区はもちろん、葛飾区に隣接する墨田区や江戸川区、足立区や台東区などの不動産も対応可能。お客様からお預かりした物件の売却もスピーディーに実現します。

当社対応エリアにて不動産の売却をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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相続放棄した家の管理義務について

相続放棄した家の管理義務について

相続放棄の手続きを行ったとしても、不動産の管理を続けなければならないケースも存在します。

管理義務は、どのような条件下で発生するのでしょうか。詳しく解説します。

相続放棄しても「管理義務」は残る可能性がある

相続放棄を行い、誰も家を引き継がない場合は「相続時にその家を占有していた相続人」に管理義務が発生します。
民法第940条では、以下のように定められています。

相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。

つまり、相続人が一人しかいない、もしくは全員が相続を放棄した場合は、最終的にその家を占有していた人が管理を続けなければなりません

家を放置して何らかのトラブルが発生したときには、相続放棄後であっても、責任を問われる可能性があるのです。

2023年4月以降は「現に占有している場合」に限定

上記でご紹介した法律では管理義務の発生条件があいまいな部分があったため、2023年4月に民法改正が行われました。
現在、民法第940条は以下のように改正されています。

相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

現在は「現に占有しているとき」という条件が追加されているため、その家を事実上支配・管理している状態になければ管理義務は発生しません

「現に占有しているとき」を例に挙げるなら、親(被相続人)と同居していた子供が、そのまま実家に住み続けている状態が該当します。

子供が離れた場所で暮らしていて実家に住んでいない場合は「現に占有している」状態には該当せず、管理義務は発生しないものと考えられます。

相続放棄した家に住み続ける方法

相続放棄した家に住み続ける方法

基本的に相続放棄の手続きを行うと、居住を続けることはできません。

しかし、相続放棄の手続きを行う3ヵ月と、相続放棄後の猶予期間として3ヵ月、計6ヵ月程度は住み続けることが可能です

6ヵ月を過ぎても住み続けたい場合は、以下の2つの方法のどちらかを選択する必要があります。

・相続放棄後に相続財産清算人から買い戻す
・「限定承認」を行う

それぞれの内容を詳しく見てみましょう。

相続財産清算人から買い戻す

一度相続放棄した家に住み続けるには、自身の財産にする必要があります。

相続財産を保存・管理している「相続財産清算人」に相談して、家を買い戻しましょう

ただし、買い戻すにはまとまった資金が必要です。

また、債権者に買い取られてしまった場合は買い戻しができないため、家に住み続けることは難しいといえるでしょう。

相続放棄を希望している場合は、手続きを行う前に慎重に判断することが大切です。

「限定承認」を行う

引き続き家に住み続けたい場合は、相続放棄をせずに「限定承認」を行うという方法もあります。

限定承認とは、相続対象であるプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方法を指します

借金があってもどうしても手放したくない特定の財産があるという場合に選ばれる方法で、限定承認を行うと、相続対象となる家が競売にかけられます。

「先買権」を行使すれば、裁判所が選任した鑑定人の評価額で優先的に相続財産を買い取れるので、引き続き家に住み続けたい場合に有効です。

ただし、手続きが複雑な上に税金が発生するというデメリットがあるので、実行することは難しいといえるでしょう。

不動産の相続放棄に関する注意点

不動産の相続放棄に関する注意点

不動産を相続放棄すると決めても、慎重に行動しなければ放棄が認められない可能性があります。

また、放棄を理由に家の管理を怠っていると、損害賠償請求や犯罪に遭うなどのトラブルにつながるケースがあります。

手続きを進める前に、相続放棄に関する注意点や想定されるリスクを把握しておきましょう。

相続放棄する家の片付けや遺品整理は行わない

管理義務があるからといって、相続対象の家の片付けや遺品整理を勝手に行うと、相続放棄できなくなってしまう可能性があります。

遺品を売る・形見分けを行うという行為を行ったり、家を貸し出す・取り壊すといった所有者にしかできない行為を行ったりすると、「相続財産に手を付けた」とみなされて「単純承認」(プラスの財産もマイナスの財産も相続すること)が成立してしまいます

マイナスの遺産が多い場合は借金を負うことになりかねないので、劣化を防ぐ保存行為や管理行為以外では、家のものに手を付けないように注意しましょう。

適切に管理していないと損害賠償請求される可能性がある

相続放棄した家にトラブルが起こった場合、相続財産の管理義務を負う方が責任を追及される可能性があります。

管理義務を怠って家を放置していると、劣化が進んで倒壊したり、火災が起こったりするケースがあります。

もしも周辺住民が怪我を負う、火災に巻き込まれるといった被害に遭った場合、損害賠償請求される可能性があるのです。

相続人または相続財産清算人に対して家を引き渡すまでの間は、トラブルが起こらないようにしっかりと管理しておきましょう。

空き家を放置していると犯罪に使用される可能性がある

相続を放棄するからと家の管理を怠っていると、倒壊や火災が起こるだけでなく、犯罪に使用されるリスクもあります。

空き家であるのをいいことに、犯罪組織の根城にされる、窃盗の被害に遭う、放火されるなど、犯罪に巻き込まれるケースも珍しくありません。

周辺に被害が及んだ場合は損害賠償請求される可能性がある上に、共犯を疑われる可能性もあります

相続放棄する場合でも、家を手放すまでは管理を怠らないように注意してください。

はりき不動産では、「かんたんAI査定」と「訪問査定」の両軸からお客様の不動産の適正価格を割り出します。
 
かんたんAI査定では、不動産情報を入力すればすぐにメールで査定結果が届き、訪問査定では、スタッフが不動産を直接査定することで、より正確な査定額を知ることができます。
 どちらも無料ですので、お気軽にご利用ください。

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不動産の相続放棄に関するよくある質問

不動産の相続放棄に関するよくある質問

相続放棄について理解したものの、まだ不安や疑問が残っているという方もいるかもしれません。

最後に、不動産の相続放棄に関するよくある質問をご紹介します。

Q1.使用する予定のない空き家は相続放棄した方が良い?

誰も使用する予定がない家だとしても、相続放棄するか否かは、それぞれのケースによって異なります。

例えば、他に相続人がいない場合や、相続財産がプラスとなる場合は、家を含めた遺産を全て引き継いだ方が良いといえるでしょう。

しかし、相続遺産がマイナスとなる場合や、家を保存・管理するために多くの費用がかかるという場合には、相続放棄した方が良いといえます。

使い道のない空き家でも、売却して現金に換えるという方法もあるので、相続するべきか否かは慎重に検討することをおすすめします

相続予定の家にどの程度の価値があるのか知りたいという方は、不動産会社に査定を依頼してください。

Q2.借地に建つ家を相続放棄するとどうなる?

家が借地に建っている場合、相続放棄すると借地権ごと手放すことになります。

借地権を放棄すると建物の管理義務もなくなるため、そのまま地主に返還することができます

建物を解体する義務はなく、費用を支払う必要もありません。

ただし、家を無料で引き渡すことになるので、お金に換えたいという場合には、相続してから手放した方が良いといえるでしょう。

地主に買い取ってもらえれば、被相続人が残してくれた家をお金に換えることができます。

また、地主の承諾を得られれば、「借地権付き建物」として、不動産会社をはじめとした第三者に売却することも可能です。

相続した方がお得になるケースも多いので、放棄するか否かは慎重に判断する必要があります。

借地権付き建物の相続にお悩みの方は、下記記事もご覧ください。

Q3.相続放棄した家の解体費用は誰が払う?

相続放棄した家の解体費用は、保存・管理している方が負担する必要があります。

兄弟姉妹や親戚など、他に相続人がいればその相続人が負担することになるでしょう。

相続人がいない場合は、家庭裁判所から選任された「相続財産清算人」が必要な対応を取ることになります。

相続人全員が相続放棄し、相続財産清算人が選定される前に解体を行うと、管理義務を負っている方が費用を支払うことになります

被相続人と同居していた方や、現在も家に住み続けている方は管理義務が発生している可能性があるので、解体のタイミングに注意してください。

まとめ

管理が面倒、使用する予定がないなど、不動産の相続を希望していない場合は、相続を放棄することも可能です。

しかし、管理義務が残っているにもかかわらず家を放置していると、損害賠償を請求されたり、犯罪に使用されたりするリスクがあります。

不動産の取り扱い方を間違うと、そもそも放棄が認められない可能性もあるので、慎重に行動しましょう。

相続放棄するか迷っている、家を手放す方法がわからないという方は、不動産会社へ相談することをおすすめします。

弁護士や司法書士などの専門家とつながりの深い不動産会社であれば、相続についても親身になってサポートしてくれます。

相続した住宅を売却したいといったケースでも迅速に対応してもらえるので、一人で悩まずに不動産会社へご相談ください。

1970年創業のはりき不動産は、東京都葛飾区に精通した地域密着型の不動産会社です。

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